プラスチック容器 業務用を選定する際には、仕様、法令対応、性能検証、そして運用面の調整が初期段階から揃っていることが、製品立ち上げの成功につながります。
本ページでは、食品業界のバイヤーや開発チームが一般的に必要とする要件を整理し、South Plastic（SPI）がどのように各ステップを支援できるかをご紹介します。パイロットから量産体制への移行をスムーズに進めるためのポイントを解説します。
Table of Contents
2025年における業務用プラスチック容器の主流素材は？
冷蔵棚向けの業務用プラスチック容器
冷蔵棚に陳列される食品向けの業務用プラスチック容器には、透明PPやPET/rPET製のトレーと蓋が主に採用されています。
陳列時の透明度を重視する場合はPET/rPETを、軽い加熱や耐油性が求められる場合は透明PP（防曇加工付きのUltra-Clear PPを含む）がおすすめです。なお、PET/rPETは電子レンジ非対応です。
透明な寿司用トレーと蓋
寿司用の透明容器には、PET/rPETが標準素材として使われています。高い透明性と、ドーム型・フラット型いずれの蓋にもフィットする剛性が特長です。
加熱耐性を確保したい場合は、ウルトラクリアPPも実用的な代替材となります。
容器本体は無地のまま使用し、スリーブやラベルでブランディングを行うのが一般的です。
電子レンジ対応の業務用フードパック
電子レンジでの加熱に対応する業務用フードパックには、単一素材（PP/PP構成）のPP容器が適しています。耐油性と再加熱性に優れ、防曇加工にも対応可能です。
オーブン加熱が必要な場合は、CPETの使用を個別に検討できますが、性能評価とリサイクルルートの確認が必要です。
透明PP（ポリプロピレン）
- コスト、電子レンジ対応、耐油性のバランスに優れた素材です。
- 軽量で単一素材（PP/PP）として設計しやすい点も特徴です。
South Plasticでは、業務用プラスチック容器として「ウルトラクリア PP」シリーズを製造しています。
このシリーズは、防曇加工（アンチフォグ）も選択可能で、PETのような透明感と電子レンジ対応のPP性能を両立しています。高ドーム型・フラット型の蓋（ヒンジ一体型またはセパレートタイプ）に対応し、単一素材（PP/PP）のトレーおよび蓋として提供可能です。
PET / rPET（ポリエチレンテレフタレート／再生PET）
- 寿司、惣菜、ベーカリー、青果などの冷蔵棚における視認性重視の業務用途で、業界標準とされる素材です。
- 剛性が高く、ガラスのような透明感があり、冷蔵用途に広く対応しています。
South Plasticでは、プラスチック容器 業務用としてPETおよびrPET製の容器を製造・供給しています。
当社のPET/rPET容器はトレーサビリティに対応し、バイヤー様がすぐに使用できる状態で納品可能です。単一素材（PET/PET）構成で提供しており、必要に応じて第三者機関による適合証明書の添付も行っております。
業務用プラスチック容器の用途と仕様検討
開発・調達チームが求めること
- 惣菜、寿司、ベーカリー、青果など製品カテゴリと、充填温度・油脂・酸・塩分・加熱条件などの使用環境を定義する
- 容器サイズ（フットプリント）、容量、ドーム高、陳列安定性などの仕様目標を設定する
- ケース入数、パレット積載パターン、圧縮／落下耐性、物流センターでのハンドリング仕様を確認する
- 必要な書類・検証内容を整理する（適合宣言書［DoC］、ポジリスト対応、溶出データ、パイロットテストなど）
South Plasticの対応
- お客様の要件をもとに、業務用プラスチック容器の仕様書を明確な数値付きで作成いたします
- 用途に応じてPPとPET/rPETを使い分け、加熱対応か透明性重視かによって素材選定をご提案。
また、透明性と剛性のトレードオフ、反り防止、ラベルスペースなどのポイントも整理します - 初期段階で必要な試験データやバイヤー向け書類を明確にし、承認手続きをスムーズに進められるよう支援します
2025年における業務用プラスチック容器の主流構造とは？
ラウンド型と角型、それぞれの使い分け
- 2025年現在、プラスチック容器 業務用では角型（スクエア／長方形）形状が主流です。
理由は、ケースやパレットに効率的に詰められ、店頭でも平らに積みやすく、ラベルの貼付や剥離がしやすいためです。 - 一方、ラウンド型はサラダ用のフォークアクセスや、デザートなどのプレミアム感の演出、液体の揺れ防止などに適しています。手作業での充填が多い業態では使いやすさの点で優れる一方、梱包効率はやや劣る傾向があります。
蓋とヒンジ構造：2025年の主流とは？
一体型クラムシェル容器
2025年時点で、冷蔵棚に並ぶ業務用プラスチック容器（プラスチック容器 業務用）では、以下の3つの構造が多く採用されています。
- 一体型のクラムシェル容器は、手作業での充填においてスピードと簡便さが評価されています。本体と蓋が一体であるため、パーツを紛失せず、開閉タブの操作もしやすい設計です。ネスト高を適切に設計すれば、スタック状態も安定します。
- 本体とスナップ式の蓋（2ピース構成）は、寿司・惣菜・デザート用途で幅広く使われています。蓋と本体の組み合わせを用途に応じて変更できる柔軟性が好まれています。飾り付きの製品には高ドーム蓋、ラベルスペースや積載効率を重視する場合はフラット蓋が選ばれます。
いたずら防止（改ざん防止機構）
いたずら防止機能を備えた業務用プラスチック容器（プラスチック容器 業務用）は、安全性をひと目で伝えられる点から採用が広がっています。 一方向にのみ切れるブリッジタブやティアバンドなどを採用することで、未開封かどうかがすぐに判別でき、現場スタッフや購入者にも安心感を与えます。
開封トルクは、「安心感」と「開けやすさ」のバランスが重要です。
シュリンクバンドなど追加資材が不要なため、テイクアウトやデリバリー用途に適しておりますし、陳列時の整頓やチェック作業も効率化されます。
South PlasticのSafety Pack®（いたずら防止容器）
Safety Pack®は、South Plasticが開発した特許取得済みの一方向ロック機構を採用しており、改ざんの有無が一目で確認できます。
開封時はロック部が破片を残さずにきれいに切れるため、作業現場や店頭でも衛生的に使用でき、シュリンクバンドやテープといった追加資材は不要です。
バイヤーがSafety Pack®を業務用プラスチック容器に選ぶ理由
- しっかりと密閉される一方で、開けやすい引き力で簡単に扱え、スタッフへの操作指導もスムーズです
- 状態の可視化：一方向に切れる構造により、未開封かどうかがひと目で分かります
- 破片ゼロ設計：開封後も破材が残らず、陳列棚やカウンターが常に清潔に保てます
品質管理と法令適合：製品立ち上げ前に必要な確認事項
素材の選定と設計の確定後は、製品立ち上げに向けて品質管理（QC）および法令適合性の検証を進める必要があります。業務用プラスチック容器（プラスチック容器 業務用）では、初回製品評価（ファーストアーティクルテスト）を実施した上で、適合宣言書（DoC）、ポジティブリスト対応表、溶出試験データ、トレーサビリティおよび変更管理体制、エンボス・ラベル仕様書の最終確認といった内容が一般的に求められます。
South Plasticのサポート内容
South Plasticでは、以下の対応を通じて、業務用プラスチック容器（プラスチック容器 業務用）の立ち上げを包括的に支援します：
- SKUおよび仕様に対応したバイヤー向けコンプライアンスパックを作成
- 使用目的および接触条件を明記した適合宣言書（DoC）の発行
- 使用素材および添加物をポジティブリスト（PP／PET／rPET）に基づいて整理
- 溶出試験の条件および結果をまとめた試験サマリーの作成（検査機関情報付き）
- トレーサビリティおよび変更管理の文書化、変更トリガーの設定
- エンボステキストやサイズ、リサイクルマーク、ラベルスペースなどとの設計整合性の確認
- バージョン管理されたPDFと変更履歴の提供
- ISCC PLUSスコープや再生材比率など、関連認証書の添付にも対応
認証に関する補足（リクエストベース）
- reSPIre™ rPET（認証取得済み再生材）：South Plasticでは、SCS Global Servicesによる再生材含有率認証を取得したrPETを、10%、25%、30%、50%、70%、100%などの複数レベルで提供しています。ESG目標に対応したトレーサビリティと証明書付きの調達が可能です。
- ISCC PLUSチェーン・オブ・カストディ（マスバランス方式）：SPIはISCC PLUS認証を取得しており、ケミカルリサイクルrPETやバイオPPを使用したプログラムに対して、監査対応可能なドキュメントをご要望に応じて提供しています。これにより、調達部門が使用実績を裏付ける資料として活用できます。
South Plastic（SPI）は、食品グレードの業務用プラスチック容器（プラスチック容器 業務用）を量産体制で製造しており、図面設計から試作金型、ファーストアーティクル、生産立ち上げまでを含むOEM／ODM対応を提供しています。
近年、ISCC PLUS認証を取得し、PCR PET製品はGRS認証にも対応済みです。製品ラインナップには、くもり止め加工付きのUltra-Clear PP、PET／rPET製のトレーおよび蓋、そして改ざん防止構造のSafety Pack®が含まれています。
パイロットフェーズから量産への移行をスムーズに進めたいとお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。オンラインでの打ち合わせも随時承っております。
